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偏頭痛の原因・症状・対処法・予防について
偏頭痛に悩んでいる人は少なくないでしょう。日本人の約10%が偏頭痛もちと言われるほど。偏頭痛は、特定の病気から起こる症状ではなく、「はっきりとした病気がないのに起こる頭痛」とされています。
原因は、首や頭のまわりの筋肉がかたく緊張していること、頭の血管が拡張していること(ひろがっていること)、と考えられています。また、自律神経も大きく関係しています。
そんな偏頭痛の症状、原因、対処法、予防する方法について、くわしく紹介します。
【目次】
偏頭痛の症状
偏頭痛の症状は個人差が大きいですが、おもに次のような症状があらわれることが多いでしょう。
- 頭の片側だけ痛む
- 頭の中がズキンズキンと脈を打つようにうずく
- こめかみのあたりや後頭部などの一部分が痛む
- 頭全体が痛む
- からだを動かすたびに頭痛がする
- 吐き気がする、嘔吐をともなう
- めまいをともなう
- 週1回、月1回、といった頻度でおこる
- 20代から40代の女性に起こりやすい(男性の約4倍)

頭全体が痛む人もいれば、一部分だけに頭痛が起こる人もいて判断がつきにくい点もあります。偏頭痛が起こる頻度であったり、めまいや吐き気などをともなう点は、比較的共通している症状ではないでしょうか。
ただ、長年偏頭痛が起こっている人などは、ご自身で判断されずに医師の診断をあおぐことが安心です。
「たまに頭痛がする」程度ならいいですが、「経験したことのない強い頭痛、高熱、はげしい嘔吐、手足のけいれんやマヒ」などを感じる場合は、重大な病気が隠れているかもしれません。
頭痛のうちの9割は、「偏頭痛や緊張型頭痛などの、はっきりとした病気がないのに起こる頭痛」ではありますが、心配な人はぜひ医師の診察を受けてみてください。
偏頭痛の原因
偏頭痛の原因は、
- 首や頭のまわりの筋肉がかたく緊張していること
- 頭の血管が拡張していること(ひろがっていること)
と考えられています。そして、そうなる原因がストレスや疲労。
偏頭痛が起こるメカニズム
偏頭痛が起こるメカニズムとは、どんなものでしょうか?
疲れがたまる、強いストレスを受ける
→ 神経伝達物質である「セロトニン」が大量に分泌される
→ 頭の血管がギューッと収縮する(細くちぢむ)
→ 次に反動でグンと拡張する(広がる)
→ 血管が腫れたり炎症をおこす → 偏頭痛が起こる
セロトニンとは、「幸せホルモン」とも呼ばれる物質で、心と体の安定を保つはたらきをするもの。強いストレスから心身を守ろうとして、セロトニンが大量に分泌されるのですね。
大量に分泌されたセロトニンが分解されて減っていくにつれて、収縮していた血管が逆に拡張しすぎて、偏頭痛を起こすのです。
おおもとの原因はストレス
偏頭痛のおおもとの原因の1つはストレスの多い生活。適度なら良いのですが、あまりにもストレスが多い生活をしていたり、強いストレスを受けると、それがきっかけとなって偏頭痛が起こります。
自律神経失調症でなくとも、ストレスが多い生活をしていると、交感神経ばかりが優位になってしまいます。
ストレスから守ろうとして、セロトニンが大量に分泌されるのが偏頭痛の原因。ストレスケアができれば偏頭痛も予防できるのですが、なかなか難しいもの。そこで、
- 偏頭痛が起こった時の対処法
- 偏頭痛が起こらないように予防する方法
についてお伝えします。予防する方法は、毎日の生活のなかで手軽にできる方法を紹介しますので、参考になさってください。
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偏頭痛の対処法
偏頭痛が起こった時の対処法として効果が期待できる方法には次のようなものがあります。
- 痛む場所を冷やす
- 部屋のあかりを消してすこし横になる
- 人ごみ、音の大きい場所、明るい場所をさける
- お風呂やシャワーをひかえる
まずは偏頭痛を感じる場所を冷やしましょう。冷却ジェルを貼ったり、濡らしたタオルをあてたり。ひろがった血管がおさまってくるので、痛みもやわらいでくるでしょう。
また、光に過敏になる傾向があるので、明るいところでは偏頭痛がひどくなることも。部屋を暗くしてすこし横になって休むとよいでしょう。
お風呂やシャワーも逆効果。温めてしまうと、血管がさらにひろがって痛みがひどくなることがあります。お風呂やシャワーはひかえて、冷やすようにしましょう。
偏頭痛を予防する方法
なにより大切なのは「偏頭痛が起こらないように予防すること」。そこで偏頭痛に効果的な予防法をいくつかご紹介します。
1.ストレスを受けない&発散・解消する
偏頭痛のおおもとの原因はストレス。とはいえ、ストレスをなくすことは難しいもの。会社をやめることも、ママ友との関係を断つことも、急にはできません。ですので、ストレスをためこまないように、こまめに発散・解消していきましょう。
2.食べ物で予防
食べ物を見直すことは、偏頭痛の予防にとても効果的。栄養素でいえば、マグネシウム、トリプトファン、ビタミンB2、ビタミンA、ビタミンC、ビタミンE、カリウムなどを含む食べ物がおすすめです。
偏頭痛の予防に効果的な食べ物
- 大豆や大豆製品(納豆、油揚げなど)
- 海藻(わかめやひじきなど)
- 菜っ葉の野菜(ほうれん草など)
- レバー
- 乳製品(牛乳やヨーグルトなど)
- うなぎ
- ナッツ類(アーモンド、ごまなど)
- 豚肉
- バナナ
- すいか
- コーヒー
偏頭痛によくない食べ物
偏頭痛に良くない食べ物もあります。その代表は、血管をひろげる働きのあるポリフェノールを豊富に含んだもの。予防するためにはできるだけ控えるようにしましょう。
- 赤ワイン(ほかのお酒全般もひかえましょう)
- チーズ
- チョコレート
- オリーブオイル
- ハム、サラミ
- かんきつ類のフルーツ(オレンジ、レモン、ライムなど)
3.運動で予防
軽い運動は、かたくなった筋肉を適度にほぐしてくれるのでとても効果的。逆に運動不足は偏頭痛の原因のひとつにもなっています。
おすすめは有酸素運動。ウォーキングやジョギングや水泳なら、人のペースに合わせることなく自分のペースでできますね。さらに、サクサク歩く、タッタッと走る、といった反復運動は適度なセロトニンを分泌してくれるので、ストレス解消にもとても効果的なのです。
4.体内時計を整えて予防
生活のリズムや体内時計を整えることは、偏頭痛の予防にとても大切なこと。寝不足、寝すぎ、寝る時間がバラバラ、食事の時間がバラバラ、というのでは偏頭痛の予防は望めません。生活のリズムと体内時計を整えましょう。
- 朝起きる時間をそろえる
- 夜寝る時間をそろえる
- 食事の時間をそろえる
- 朝起きたら、太陽の光をあびる
5.からだの緊張をほぐして予防
偏頭痛になる人はストレスの多い人。

ストレスで交感神経ばかりが優位になってしまうので、慢性的に筋肉がかたく緊張している状態になっています。
血管はギューッと縮んで血行が悪くなり、酸素も栄養も十分に行きわたらない。これでは偏頭痛にかぎらず、体に不調をきたしてしまいます。
体が悲鳴をあげる前に、大量のセロトニンが緊急出動する前に、緊張した筋肉をほぐして体の流れをよくしてあげましょう。
- ゆったりと湯船につかって体をほぐす
- 軽い運動をする
- ストレッチをする
- マッサージする
※偏頭痛が起こっている時はお風呂はひかえてください

特にマッサージで体をほぐすのは効果的。緊張した体がほぐれると、体の回復が進むだけでなく精神的なストレスまで軽くなります。
頻繁にマッサージに通わなくても、自分で体をもみほぐすだけでも十分。
週に1度100点満点のケアをするのもいいですが、50点のケアを毎日続けるほうが体の負担は軽くなります。
ストレスや疲労が蓄積しないように、こまめに体をほぐして軽くしてあげましょう。
ほかにも、自分でしっかりとほぐす方法もあります。簡単で誰にでもすぐにできますので、参考になさってください。
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