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自律神経失調症の4つの検査とは?自律神経機能検査、心理テストなど

自律神経失調症の検査はさまざまな角度からおこなわれます。それは、自律神経失調症の概念があいまいであることと、症状は似ていても「他の病気」が潜んでいることもあるから、なのです。

検査において、次の3点に該当する場合は、自律神経失調症とみなされています。

  • 全身の倦怠感やめまいなどの不定愁訴がある
  • 器質的疾患(病変)や精神障害がない
  • 自律神経機能検査で異常がみとめられる

そして検査は(1)医師との面接、(2)除外診断、(3)自律神経機能検査、(4)心理テスト、の4種類がおこなわれます。ではこの4種類の検査について、わかりやすくお伝えします。

※この記事は医師による監修ではありません。当情報をもとにしたご判断や行動はご自身の責任においてお願いいたします。

【目次】

1.医師との面接とは?

医師との面接

自律神経失調症は、診断の難しい病気。正しく診断するには、病歴、症状の変化、今までの経過、普段の生活の様子、仕事や家庭の人間関係などを、医師との面接でくわしく伝えることが大切です。

質問シートに記入した後に、医師とのくわしい面接がおこなわれることが多いようです。

面接のおもな内容

面接では、次の内容について聞かれます。

  • いつ頃からどんな症状が現われるようになったか
  • きっかけに心あたりがあるか
  • どんな時、どんな状況で症状が現われやすいか
  • 症状が現われた時の気分はどうか
  • 過去にかかった病気があるか

  • 普段、飲むことの多い薬はあるか
  • 月経の状態、妊娠、出産、婦人科系の手術経験はどうか
  • 自分の性格はどうか
  • ふだんの生活の様子はどうか(仕事・家庭・友人関係など)
  • 周りに同様の症状を持つ人はいるか

自分ではストレスと感じなくても、実際にはストレスになっているものもあります。たとえば、引越や転職、部署の移動、子供の入学、卒業、単身赴任、など。

ストレスは「イヤなこと」だけではありません。転職や部署移動などで「よしっ、がんばるぞ!」と“やる気と期待”に胸ふくらませていても、ストレスとなっているケースがあります。

特に、症状があらわれはじめた頃の生活環境については、ささいなことでも医師との面接において話すことが大切です。

また、治療を進めていく中で、家庭環境、嫁姑の関係、夫婦仲、仕事のこと、経済的なことなど深くつっこんだ内容の話をしていくようになります。

普通なら話したくない内容もあるでしょうが、心のトラブルが大きな影響を与えているケースも多いので、医師との面接では恥ずかしがらずに正直に話すようにしましょう。

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2.除外診断とは?

除外診断とは、器質的疾患や精神障害の有無を調べる診断。つまり「自律神経失調症ですね」とかんたんに診断してしまわずに、何かほかの病気が隠れていないか、を調べるのが除外診断です。

症状の中には、自律神経失調症の症状でもあるけれど他の病気の症状でもある、というものがあります。

たとえば、全身の倦怠感、動悸、めまいなどは、自律神経失調症の場合にもあらわれる症状ですが、内臓系の病気や精神的な疾患が原因でも起こることがあります。

そのほかに、

  • 糖尿病の初期 : 倦怠感、疲労感、口の渇き、頻尿などの症状
  • 脳腫瘍 : めまい、耳鳴り、体のふらつきなど

というように、自律神経失調症と症状が共通しているものがあります。こういった重大な病気を見落とさないために、除外診断においてさまざまな検査がおこなわれます。

除外診断では、症状に応じて、心電図、脳波、レントゲン、超音波、MRI、CTスキャン、尿検査、血液検査、内分泌検査、などがおこなわれます。

また、うつ病、神経症、てんかん、統合失調症なども自律神経失調症と似ている部分もあります。これらの精神障害と区別するための検査もおこなわれます。

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3.自律神経機能検査とは?

不調があっても検査で異常が見つからないのが、自律神経失調症の特徴。しかし、自律神経そのものの働きを調べる検査で、自律神経の状態が正常かどうかがわかるケースがあります。その検査が『自律神経機能検査』

自律神経機能検査には、いろいろな種類があります。症状にあわせていくつかの検査をして、判断しています。

ただし、自律神経失調症の場合、自律神経機能検査でかならず異常が見つかるとは限りません。その場合は、心理テストなどで総合的に判断します。

では、おもな自律神経機能検査について紹介します。

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機能検査1 : シェロング起立試験

シェロング起立試験とは、まず、10分間以上静かに横たわった状態で血圧を測定し、次に、立ち上がった状態で血圧を測って、その血圧の変化を調べるもの。血圧の変化によって、次のように診断されます。

血圧に大きな変化がない : 自律神経の機能は正常です。

立ち上がった時に血圧が大きく下がる : 自律神経機能に異常があり、めまいや立ちくらみなどの、起立性低血圧を起こしやすい。(最高血圧で21mmHg以上も下がる、最低血圧で16mmHg以上も下がる。)

立ち上がった時に最高血圧が下がって、最低血圧が上がる : 手足の末端から心臓へ血液が戻るはたらき(静脈還流)が不十分な状態。疲れやすい、脱力感、だるい、などの症状を起こしやすい。

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機能検査2 : 立位心電図

立位心電図とは、横になった状態で心電図をとり、次に、立った姿勢でもう一度心電図をとり、その波形の変化で自律神経の状態を検査するもの。

健康な人は寝ていても立っていても波形に大きな変化はありませんが、自律神経が乱れていると、立ち上がった時に波形が乱れます。これは、血管の運動神経や心臓のはたらきを調整するチカラが弱いためです。

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機能検査3 : マイクロバイブレーション(MV)

体の表面に起こる微細な振動を「マイクロバイブレーション」といいます。マイクロバイブレーションの振動数を測定・分析して、自律神経機能の状態を調べるのが、マイクロバイブレーション(MV)と呼ばれる検査です。

20℃から25℃に室温を保った状態で横になって安静にします。利き手と反対の手の親指に自然に起こる細かい振動を5分以上測って、脳波形や心電図に連動させて周波数を求め、コンピュータで分析します。

周波数の帯域によって、交感神経と副交感神経の緊張の度合いなどを調べます。

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機能検査4 : 心拍変動検査

心拍変動検査とは、心電図の一拍ごとの間隔をコンピュータで解析して、交感神経と副交感神経とのバランスを検査するもの。

ベッドにあお向けに寝た状態で3分間安静にした後、3分間心電図をとります。基本的には心電図検査とほぼ同じです。

脈拍は、緊張すれば速くなり、リラックスすれば遅くなります。脈拍を一拍ごとに検査して、この変化のもととなっている自律神経がどのようにはたらいているかを継時的にチェックするのがこの方法です。

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機能検査5 : 皮膚紋画症

皮膚紋画症とは、細い棒のような先端のとがったもので腕の内側などをこすって、皮膚にあらわれる反応を見る検査

自律神経が正常な人は、数秒後に白い筋が浮き上がっても、5分から10分もすれば消えます。

しかし自律神経が乱れている人は、こすった部分が赤くなったり(赤色皮膚紋画症)、みみずばれのように腫れ上がって(浮腫皮膚紋画症)なかなか消えずにかゆみを感じたり、ということが起きてくるのです。

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機能検査6 : 鳥肌反応検査

鳥肌反応検査とは、首筋、うなじ、わきの下などに機械的または寒冷刺激を与えて、皮膚の反応(鳥肌)を見る検査

反応が過敏な場合は、不安のために交感神経が緊張して立毛筋が収縮し、鳥肌が立ちます。この反応の強弱で自律神経の状態をチェックします。

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機能検査7 : 指尖容積脈波(しせんようせきみゃくは)

指尖容積脈波(しせんようせきみゃくは)とは、人差し指と中指の腹の部分にあらわれる「微細な脈」を調べる検査のこと。

不安や緊張で交感神経が緊張していると、通常よりも脈の変化が少なくなります。

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機能検査8 : 皮膚電気活動

皮膚電気活動とは、人間の体がもつ「電気を通す性質」を利用した検査で、手のひらや指の2点と電池をつないで、電気の流れの変化を調べる検査。

不安や緊張で交感神経が緊張していると、変化が早くなります。

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4.心理テストとは?

心理テスト

(2)「除外診断」でほかの病気の有無を調べ、(3)「自律神経機能検査」で自律神経そのものの働きを調べた後は、(4)「心理テスト」で症状の背後にある心理的要因を調べていきます

自律神経失調症の多くは、心理的な要因が深くかかわっています。その心理的要因を探ることが、診断や治療において重要となってきます。

基本は面接や問診ですが、同時に質問表に記入してもらうケースがほとんどです。質問表には、体の状態だけでなく心理状態についても記入します。

心理テストには、性格的特性をみるもの、行動特性パターンをみるもの、神経症傾向をみるもの、ストレス耐性をみるもの、などさまざまなものがあります。

では、心理テストについて紹介していきます。

東邦メディカルインデックス(体と心の症状を調べる心理テスト)

東邦メディカルインデックスとは、心と体の症状からチェックする心理テストです。

体の症状についての43の質問と、精神的な症状についての51の質問によって、自律神経失調症のタイプを調べていく心理テストです。

ストレス・チェックリスト(ストレス状態を調べる心理テスト)

現在のストレス状態がどの程度かをチェックする心理テストです。

ストレス耐性チェックリスト(ストレス耐性度を調べる心理テスト)

ストレスに対する強さ、耐える力をチェックする心理テストです。

CMI(心理全般の健康の心理テスト)

CMI(コーネル・メディカルインデックス)は、アメリカのコーネル大学で開発された、心理・性格テスト。全204項目の質問によって、心と体の全般をチェックします。

  • 身体的自覚症状に関する質問 : 132項目(目・耳、呼吸器系、心臓血管系など)
  • 精神的自覚症状に関する質問 : 51項目(不適応、不安、緊張など)
  • 既往症についての質問 : 15項目
  • 行動や習慣に関する質問 : 6項目

もともとは神経症の傾向をみるために開発されたものですが、自律神経失調症の診断にもよく用いられます。

心の質問だけでなく、体の質問も含まれる「心身全般」のチェックなので、心理テストに抵抗のある人にも受けいられやすくなっています。

Y-G性格検査(ストレス耐性や性格傾向)

Y-G性格検査(矢田部・ギルフォード性格検査)とは、アメリカのギルフォード博士らが作成した性格テストを、矢田部氏らが日本人向けに改定したもの。

社会適応性、性格安定度、活動性、社会的な外向性・内向性などを調べることで、社会的ストレスに対しての強さや性格の傾向を知るための検査です。

MAS(不安や恐怖の程度を調べる)

MAS(顕在性不安尺度)は、日常生活の中で不安や恐怖をどの程度感じるかを調べる検査。

簡単に不安状態を調べることができるので、神経症型自律神経失調症かどうか、このテストでわかる場合があります。

INV(気質を調べる心理テスト)

INVとは、クレッチマーの精神学的性格分類を基に考案された検査。循環気質、分裂気質、粘着気質、神経質、ヒステリー気質などを調べます。

これらの要素の多い人は、自律神経失調症になりやすいといわれています。

MMPI(人格傾向を調べる心理テスト)

MMPI(ミネソタ多面的性格検査)はミネソタ大学で開発されたテスト。心気傾向、抑うつ傾向、ヒステリー傾向があるかどうか、社会的か非社会的か、男性度・女性度などを調べて、多面的に人格を判断するテストです。

エゴグラム(エゴ(自我)の状態を調べる心理テスト)

交流分析を基にした心理テストで、対人交流パターンを調べることによって自我の状態を知るもの。

人間の心の中には、

  • 批判的な親
  • 養育的な親
  • 大人
  • 自由奔放な子供
  • 順応した子供

の5つの面があると考えて、その中のどのパターンをとる傾向が強いのか、を調べることで生き方に対する態度を判断するものです。

まとめ

自律神経失調症の検査はこのように、面接、除外診断、自律神経機能検査、心理テストの4種類の検査を通していろいろな方向から診断していくものです。

検査と同じように、自律神経失調症の治療においても、薬であったり医師との会話やカウンセリングであったり心理的なアプローチであったりと、いろいろな方面から改善をはかっていきます。

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