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統合失調症と自律神経失調症との違いとは?

自律神経失調症と統合失調症は、同じような病気だと勘違いしている方も多いのではないでしょうか。しかし実際には、この2つの病気は明らかに違う病気です。

そこでこの2つの違いについてわかりやすく紹介します。

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【目次】

自律神経失調症とは?

交感神経と副交感神経

自律神経失調症は、交感神経と副交感神経の2つの神経のバランスが慢性的に大きくくずれた状態のことを言います。

  • 交感神経:
    活動中・緊張している時・ストレスを感じている時にはたらく。おもに日中。
  • 副交感神経:
    休息中・体を回復している時・リラックスしている時にはたらく。おもに睡眠中。

活動・緊張・ストレスモードである交感神経が優位になれば、心臓の動きや肺の動きなどは必要以上に活発になります。

反対に、休息・回復・リラックスモードである副交感神経が優位になれば、胃腸などの消化器官のはたらきは活発になります。

しかし、仕事、学校、人間関係、長距離通勤、不規則な食生活、睡眠不足、化学物質にあふれた生活など、あらゆるストレスにかこまれている私たち現代人。交感神経ばかりがはたらいてしまう傾向にあります。

この状況が続くと副交感神経のはたらきが鈍くなり、2つのバランスが大きく乱れてしまうことで、さまざまな症状があらわれてきます。これが自律神経失調症。

おもな症状には、動悸、めまい、ふらつき、冷や汗、多汗、ほてり、冷え、疲れがとれない、体が重たい、不眠、便秘、下痢、イライラ、集中力の低下などがあります。

健康でない人の自律神経の乱れ

なお、気圧の変化、気温の変化、空気中の有害物質、野菜や果物に含まれる残留農薬、加工食品に含まれる食品添加物なども、体にとってはストレス。

「あー、ストレスだわ!」とは自覚しないでしょうが、これもストレスとして心身の負担になっているのです。

ちなみに「ストレスが原因」とお伝えしましたが、なかには「遺伝」によって自律神経の調整がうまく機能しない体質を持っている人もいます。珍しいケースではありますが、その体質が原因で自律神経失調症になる人もいます。

では次に統合失調症とはどんな病気でしょうか?

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統合失調症とは?

統合失調症は、脳のなかにある神経伝達物質「ドーパミン」の分泌が異常になることが原因で起こる精神疾患。

陽性症状はドーパミンの分泌されすぎること、陰性症状はドーパミンの分泌が少ないこと、によって起こります。

神経伝達物質が異常を起こしているので、神経伝達がうまくできなくなって司令が行き届きません。それによって、精神状態が混乱してしまうのが統合失調症の特徴。

自律神経失調症とは違って、自律神経のバランスが乱れが原因で起こるものではありません。

おもな症状には、幻覚、幻聴、妄想、興奮、思考障害、などがあります。

統合失調症という言葉を耳にすることが、徐々に増えてきたのではないでしょうか。統合失調症がどのようなものかを理解していなくても、その病名だけは聞いたことがあるという人も多いでしょう。

統合失調症は最近になってあらわれるようになった新しい病気ではなく、古くはギリシア時代から「古くて新しい病気」として文献にも記述が残っています。

ちなみに2002年までは「精神分裂病」と言われていたのが、この統合失調症です。

患者数はまだまだ少ないと思っている方もいらっしゃるかもしれませんが、統合失調症の患者数は、全世界で0.5%から2%。意外と多いのです。

何かを認知する機能が著しく低下してしまうこともあり、同じ話をするにしても、内容が毎回違うなどといった症状が出ることもあるようです。

統合失調症に特有の症状

自律神経失調症の場合は、幻覚、幻聴、多重人格、といった症状はありません。なので、幻覚、幻聴、多重人格の症状がある場合は統合失調症の可能性があります。

治療法も異なります

お伝えしたように、自律神経失調症と統合失調症はそもそも原因が違います。似たような症状が出ることもありますが、脳内の神経伝達物質に異常がなければ統合失調症ではないでしょう。

両者は治療法も違いがあり、受診するべき病院の科も違います。自律神経失調症は心療内科や神経科、統合失調症は精神科、というのが一般的です。

統合失調症に特有の症状もありますが、ご自身で判断することはなく、医師の診断を受けるのがよいでしょう。また、診断は難しいもの。セカンドオピニオンも活用して、早い段階で正しい診断と正しい治療法を受けるようにしてください。

※参考サイト:国立精神・神経医療研究センター~こころの情報サイト「ストレスとセルフケア」、「統合失調症

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執筆者
この記事の執筆者:
株式会社ナチュラルハーモニー代表 斉藤豊

1995年から栄養補助食品の販売業務をきっかけに栄養学を学ぶ。以来、健康食品・健康器具など10年の業務経験とともに整体師から自律神経など体のしくみを学び、2006年に健康通販(株)ナチュラルハーモニーを設立。
リラックスジェル「プアーナ」、内科医・医学博士の堀田忠弘先生考案・監修「野菜力で輝け」、医学博士の吉村尚子先生開発の和漢の健康茶「浄活茶」など天然由来100%の健康商品を販売して今年で17年目を迎える。※執筆者プロフィールはこちら

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