自律神経と気圧の関係とは?低気圧と高気圧で変化する体調について
梅雨や台風といった低気圧のときに体調をくずすこと、ありませんか?
自律神経失調症になると、気圧の変化によって症状がひどくなることがあります。
そこで「気圧の変化とどのように関係しているのか」についてお伝えします。
気圧の変化によって症状を悪化させないための対策についてもご紹介しますので、参考になさってみてください。
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【目次】
気圧の変化が自律神経にどう影響する?
自律神経は、次の2つの神経によって成り立っています。
- 心身を活発化させる『交感神経』(ストレス・緊張・活動モード)
- 心身を修復する『副交感神経』(リラックス・回復・睡眠モード)
この2つの神経がうまくバランスを保っているのが本来の状態。とはいえストレスの多い現代社会では、多かれ少なかれバランスの乱れている人がほとんどではないでしょうか。
なかでもそのバランスの乱れの大きい状態が「自律神経失調症」。
そのバランスの乱れによって、通常ならさほど影響を受けないようなささいな「刺激や変化」でも敏感に反応してしまうのです。気圧の変化はその最たるものと言えるでしょう。
台風の時期や梅雨の季節ではなく、気圧の変化があまり激しくない季節でも、自律神経というのは絶えず体に作用して、『その時々の気圧にあった体』へと導いてくれています。
しかし、自律神経失調症を患っていると、ささいな変化にも体が対応することが難しくなってしまいます。
低気圧になると……
低気圧の時は、一般的に副交感神経がよくはたらくようになります(血管を広げて血流を良くしようとします)。
ただ、自律神経失調症の場合は副交感神経がはたらき過ぎてしまう傾向があります。副交感神経は心身を休める神経。はたらき過ぎることで、強い眠気や倦怠感を覚えます。
高気圧になると……
逆に、高気圧になると交感神経がはたらき過ぎてしまい、血管を縮めて血圧を上げてしまうこともあります。
このように、それぞれの神経が気圧の変化によって過剰に反応することが原因となって、症状がひどくなるのですね。
交感神経と副交感神経についてはこちらでくわしく紹介しています。
交感神経と副交感神経のしくみとはたらき-バランスが乱れる原因は?
では次に普段の生活でできる対策についていくつかご紹介します。
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気圧の変化への対策(1)食生活
普段の生活でできる気圧の変化への対策にはいろいろあります。まずは、食事のしかたや食べ物の面で効果的な対策についてご紹介します。
食事をする時間をそろえる
不規則な食事の時間、アンバランスな食事の内容は自律神経を狂わせてしまう可能性があるので、改善しましょう。
ますは食事の時間。毎日同じ時間に食事をとることで体内時計も整ってきます。
3食同じ時間にするのが難しくても、朝ごはんだけでも、昼ごはんだけでも、できるところから食事の時間をそろえるように心がけてみてください。
食べ物で自律神経を整える
そして食べ物。野菜・魚・肉・豆類・きのこ類・海藻などバランスよく食べましょう。
特にストレスの多い人は副交感神経がじゅうぶんにはたらいていません。
食物繊維の多いきのこ類・海藻・ごぼう・さつまいも・リンゴなどを摂りましょう。
また、からいもの、酸っぱいものも副交感神経をはたらかせてくれる食べ物。酢の物、お酢のドリンク、七味唐辛子、キムチなどもおすすめです。
食事の時間や食べ物に注意することで、気圧の変化による症状をやわらげてくれるでしょう。
※姉妹サイトですが、自律神経を整える食べ物についてくわしく紹介しています。
自律神経を整える10の食べ物とは?この食事でしっかり改善!
次は自律神経を整える運動のしかたについてお伝えします。
気圧の変化への対策(2)運動
軽い有酸素運動がおすすめ
気圧の変化による症状だけでなく、動悸、息切れ、原因不明の筋肉痛といった症状をかかえている方は多くいらっしゃいます。だからと言って運動をしないのは逆効果。症状をより悪くしてしまいます。
効果的なのはリズムのある有酸素運動。ウォーキング、ジョギング、散歩、水泳などですね。
いきなりジョギングを始めなくても、家の近くを散歩したり、自転車や車で行くお買い物を歩いていくようにしたり、エスカレーターを使わずに階段を上がったり、から始めるのもおすすめです。
歩くのも気持ちがいいなぁ、と感じたらウォーキングやジョギングを楽しんでみてはいかがでしょうか。
タッタッタッタッというジョギングのリズムは、脳のなかで「心地よいホルモン」が分泌されます。「ジョギングは疲れるだけよ」と勘違いされている方も多いでしょうが、これだけマラソン人気が高いのも、この「爽快さ」、「気持ちよさ」があるからなのです。
てくてくてくと歩く散歩やウォーキングも、タッタッタッと走るジョギングも、スイスイスイーと泳ぐ水泳も、どれもおすすめ。
反復運動によって心地よい気分にもなりますし、筋肉がほぐれて血行もよくなりますし、体温もあがります。できるところから体を動かすようにしてみましょう。
自律神経を整える運動についてはこちらでくわしく紹介しています。
自律神経を整える運動とは?すぐ始められる手軽な方法をご紹介!
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気圧の変化への対策(3)早寝早起き
交感神経は昼間の活動時、副交感神経は夜間の安静時、というのが本来の状態です。しかし、夜ふかしや朝寝坊では自律神経のバランスが崩れてしまいます。
5分でも10分でも早く起きてみましょう。最初はきついかもしれませんが、起きてすぐに太陽の光を浴びると体も目覚めやすくなります。
10分早く起きれば、10分早く眠りやすくなります。朝の起きる時間を早めていくことが早寝への近道。起きる時間をすこしずつ早くしていくことで早寝早起きのリズムを作れば体内時計も整います。
また夜10時から夜中の2時までの4時間は、健康と美容のためのゴールデンタイム。新陳代謝がもっともはかどる時間帯です。
この時間に「眠っているか起きているか」で、疲労の回復、不調の修復、美肌つくりに大きな違いが出てきます。
気圧の変化による不調だけに限らず、いつも元気で若々しくいるためにも、早寝早起きを習慣づけていきましょう。
体内時計を整える方法についてはこちらでくわしく紹介しています。
体内時計を整える3つの方法とは?
気圧の変化への対策(4)かたい体をほぐす
不調を感じる多くの人は体が固くなっています。あなたも、
- 肩こりや首こりがひどい
- 背中がガチガチ
- いつも体が重たく感じる
- ふくらはぎや太ももがむくむ
と感じていませんか?
これは交感神経がいつも優位になっている証拠。かたい体では流れも悪くなってしまい、血圧の面でも負担が大きくなってしまいます。
これは筋肉がほぐれて深いリラックス状態(副交感神経)に切りかわった証拠。体の回復もはかどります。
マッサージされると眠たくなる(=副交感神経になる)ように、体をほぐすことは副交感神経を優位にする最適な方法と感じています。
とはいえ、マッサージや整体に毎日通うわけにはいきません。そこで……
自分でこまめに体をほぐそう
ふだんの生活の中で自分でこまめに体をほぐすのが一番です。
41度くらいの湯船にゆったりとつかる。お風呂あがりや寝る前にストレッチをする。
家事や仕事の合い間に首・肩・腕をまわす。自分で体をもみほぐす。散歩などの軽い運動もいいですね。
ほかにも自分でしっかりとほぐす方法があります。自宅で簡単。時間もかけずにできるので試してみてください。
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この記事の執筆者:
株式会社ナチュラルハーモニー代表 斉藤豊
1995年から栄養補助食品の販売業務をきっかけに栄養学を学ぶ。以来、健康食品・健康器具など10年の業務経験とともに整体師から自律神経など体のしくみを学び、2006年に健康通販(株)ナチュラルハーモニーを設立。
リラックスジェル「プアーナ」、内科医・医学博士の堀田忠弘先生考案・監修「野菜力で輝け」、医学博士の吉村尚子先生開発の和漢の健康茶「浄活茶」など天然由来100%の健康商品を販売して今年で18年目を迎える。※執筆者プロフィールはこちら
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※参考サイト:農林水産省「ビタミンと食物繊維」、NHK健康チャンネル「食物繊維のスーパーパワー「野菜・果物そして◯◯」」、厚労省 e-ヘルスネット「自律神経失調症」
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