交流分析とは? 交流分析の4つの方法とその内容とは?

交流分析とは、自律神経失調症の心理療法のひとつで、人間関係の問題点を改善するためのトレーニングです。交流分析とは何か、交流分析の4つの方法とは?などわかりやすくお伝えします。

※この記事は医師による監修ではありません。当情報をもとにしたご判断や行動はご自身の責任においてお願いいたします。

【目次】

交流分析とは

心理療法

交流分析とは、人間関係の問題点を改善するためのトレーニングであり、次のかたちでおこなわれる心理療法です(精神分析的アプローチ)。

(1)自分を分析して、ありのままの自分自身の姿を理解する

(2)他人との接し方を分析して、問題点を改善する

交流分析の考え方

交流分析は次の3つの考え方が基本です。

1.人の心には、親(P:Parent)、大人(A:Adult)、子(C:Child)の3つの自我がある

2.過去の自分や他人の行動や考え方は変えられないが、今の自分は変えられる

3.感情・思考・行動の総責任者は自分自身である

そして、心や性格のゆがみに気づくことで、

(1)体と心のバランスやストレスをコントロールできるようになること

(2)円満な人間関係をつくれるようになること、

が交流分析の目的です。

交流分析の4つの方法

交流分析には次の4つの方法があります。

交流分析の4つの方法

ゲーム分析

ではこれら 交流分析の4つの方法について わかりやすくお伝えします。

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交流分析(1)「構造分析」

構造分析は、自律神経失調症の心理療法である「交流分析」の中のひとつの方法。自分の「自我」に着目する心理療法です。

「自分はどんな自我が強くて、どんな自我が弱いか」を分析する方法ですね。

構造分析で考える5つの自我

構造分析では、次の5つの自我があると考えます。

  • 批判的で厳しい父親的な親(CP)
  • 保護的で優しい母親的な親(NP)
  • 理知的な合理的な大人(A)
  • 自由で本能的な子供(FC)
  • 周囲に順応していい子になろうとする子供(AC)

この中のどの自我が強くてどの自我が弱いかを調べるのが構造分析。視覚的に判断できるようにした「エゴグラム」を使って調べます。

構造分析でつかわれる「エゴグラム」

エゴグラムでは、5つの自我に対してそれぞれ10個、計50個の質問に答えます。

点数をかぞえて「総合的に自分はどんなタイプなのか」を分析するのが構造分析です。

構造分析で使われるエゴグラムの質問は、たとえば・・・

1.批判的な親(CP)なら・・・他人を厳しく批判しがちですか? 責任感を人に要求しますか? などの質問。

2.優しい親(NP)なら・・・子供や人の世話が好きですか? 人の話に耳を傾けて共感する方ですか? などの質問。

3.理知的な大人(A)なら・・・物事を分析的に考えて決めますか? 能率的にテキパキ仕事ができますか? などの質問。

4.自由な子供(FC)なら・・・言いたいことを遠慮なく言いがちですか? 好奇心が強いですか? などの質問。

5.順応な子供(AC)なら・・・人から気に入られたいと思いますか? 他人の顔色が気になりますか? などの質問。

50個の質問から、強い自我と弱い自我を調べて自分のタイプを分析します。構造分析の結果から、自律神経失調症になりやすいのはどのタイプかというと・・・

自律神経失調症になりやすいタイプ

▼理知的な合理的な大人(A)が低い人

まわりに遠慮して自分の意見を言えない、自分らしくいられない傾向があります。自律神経失調症やうつ病になりやすいタイプ。

▼保護的で優しい母親的な親(NP)が高くて、自由で本能的な子供(FC)が低い人

献身的で面倒見がいいので誰からも好かれるが、その分ストレスも抱えがち。自分の気持ちやわがままをもっと言った方がいいですね。

▼批判的で厳しい父親的な親(CP)が高くて、周囲に順応していい子になろうとする子供(AC)が低い人

責任感が強く完璧主義。相手に完璧主義を求めるが思うようにいかずにストレスをためてしまい、結局は自分でかかえこむことになって疲れがたまって、自律神経失調症になる傾向があります。

*-*-*

このように 「自分はどんな自我が強くて、どんな自我が弱いか」 を調べる交流分析が構造分析です。

次は 交流分析(2)「交流パターン分析」について お伝えします。

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交流分析(2)「交流パターン分析」

交流パターン分析とは、他人との交流のしかた(パターン)を分析するもの。

どの自我を使って人と交流しているのか

私たちが人と接する時は「親」「大人」「子」の3つの自我のどれかを使っています。

(1)親(P:Parent)・・・親から与えられた自我。自分にも他人にも厳しい目を持っている。相手の立場にたって物事を考えられる。

(2)大人(A:Adult)・・・大人に成長するにつれ完成する自我。状況を冷静に判断し、分析し、判断することができる。

(3)子(C:Child)・・・子供の頃から持っている自我。喜怒哀楽の感情をそのままに表現する。会話の相手の話はよく聞くことができる。

さらに 自分がどの自我を使って人と交流しているか、ほぼ決まっています。そこで「交流パターン分析」では・・・

  • どの自我を使って、人と交流しているのかを分析して、
  • 問題点や性格面での短所を見つけて、
  • よりよい交流のしかた(パターン)を身につけていく

というステップで進められます。

交流のパターンは3種類

さて、人の交流のパターンは次の3つに大きくわけられます。

  • 相補的交流
  • 交差的交流
  • 裏面的交流

では、それぞれくわしく見ていきましょう

交流のパターン(1)「相補的交流」

親の自我(自分) ⇔ 親の自我(相手)

もっとも人間関係がうまくいく交流のパターン。

相手からは期待通りの答えが返ってくるので、会話はスムーズに進みます。トラブルや不愉快な思いをすることなく、良いコミュニケーションができます。

例)「お刺身買ってきたよ」「ありがとう!おいしそうだね~」

交流のパターン(2)「交差的交流」

トラブルが起きる可能性の高い交流のパターン。

会話が交差してしまい、こちらが期待した反応とはちがう予想外の反応が返ってくるので、不愉快な気分になったり、感情的に対立したり、会話が進まなくなってしまいます。

例)「お刺身買ってきたよ」「今夜はカレーなんだから刺身なんて買わないでよ!」

交流のパターン(3)「裏面的交流」

親の自我(自分)⇒ 子の自我(相手)

相補的交流に見えますが、会話の裏に本音が隠れている交流のパターン。

親の自我から子の自我に対して、本心を伝えたくてもそれを直接言葉にしないで、大人の自我でまわりくどく相手に伝えるパターンが裏面的交流。表と裏、ホンネとたてまえがあるので、親密な人間関係がつくれません。

例)「お刺身買ってきたよ」「あ、ありがとう!(本当は好きじゃないけど・・)」

交流をスムーズにするためには?

自分が(1)(2)(3)のどのパターンで交流する傾向があるのか を理解することが大切。

(2)の交差的交流や(3)の裏面的交流をしていたなら、(1)の相補的交流を心がけましょう。裏面的交流をしている場合も、相手の気持ちを理解した上で「NO」というのも大切。「ありがとう。でもそこまで刺身は好きじゃないからあなたたくさん食べてね♪」という感じでしょうか。

また、相手が交差的交流や裏面的交流していても、自分は相補的交流を心がければ、100点満点とは言わなくても、今までよりスムーズに会話ができるはず。相手を変えることはできませんので、自分を変えていくことが大切です。

このように、自分がどの交流パターンなのかを分析して、理想的な「相補的交流」ができるよう指導していくのが、交流パターン分析です。

では次は 交流分析(3)「ゲーム分析」について お伝えします。

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交流分析(3)「ゲーム分析」

ゲーム分析は、人間関係でのトラブルの原因を分析する方法。

ゲーム分析でいう「ゲーム」とは、人間関係の中でなぜか繰り返してしまって、お互いにイヤな感情を残す結果となる交流(コミュニケーション)のこと。「裏面的交流」によるコミュニケーションの場合にそうなります。

※裏面的交流とは・・・たてまえを口にするも、正反対のホンネが隠れているコミュニケーション。「お刺身買ってきてくれてありがとう」と口では言うけれど、心の中では「お刺身はそれほど好きじゃないのに!」と思っているようなコミュニケーションのこと。

ゲーム分析で見えてくる問題点

自分がどんな「ゲーム(コミュニケーション)」をしているのか を分析して 「人間関係のトラブルの原因はどこか」「どう改善すればいいか」 を見つけます。

ゲームでは、相手がイヤな気分になるのはもちろんですが、ゲームをしかけている本人も自己嫌悪、後悔、虚無感などを感じます。

なのに、なぜそのゲーム(コミュニケーション)を続けてしまうのかというと・・・

  • うわべだけでもコミュニケーションが続いているから(ホンネを言わなければその相手との今の人間関係が続けられるから)
  • 他人から評価・注目されたい
  • 私はこういう人なの、とまわりの人にアピールしたい
  • 普段むだに時間を過ごすことが多いので、ゲームで空虚感を満たしたい

ゲーム分析における「ゲーム」の例

裏面的交流がきっかけで、次の3つのようなゲームが生まれる傾向があります。

ゲーム(1)キック・ミー (私を責めて)

わざと人をからかって挑発して、自分のことを責めさせて、責められている自分のことをまわりから注目してもらおうとするもの。自分からゲームをしかけるパターンです。

ゲーム(2)イエス・バット (はい、しかし)

相手の意見・考えをじっくり聞いて「その通り」と受け止める“ふり”をするも、実際には、自分の意見・考えを曲げるつもりがない。

ゲーム(3)ぐちの繰り返し

ぐちを繰り返すことで、現実に直面している問題と向き合うことを避けて逃れようとしている。

ゲームを繰り返してしまうことへの対処

ゲームをくりかえしてしまう患者さんに対しては、裏面的交流をやめて相補的交流ができるように指導します。

※相補的交流・・・相手の立場を理解して同じ目線・方向でおこなう交流のこと。お互いに気持ちのよいコミュニケーションです。

具体的には、次のようなことを心がけてもらいます。

自分から「ゲーム」をしかけない

普段むだに時間を過ごすことが「ゲーム」をしかける原因であると分析し、有意義な時間を過ごすように心がけてもらいます。そうすれば、ゲームのようなコミュニケーションをする時間こそむだな時間と思えるようになるでしょう。

相手がしかけてきた「ゲーム」には乗らない

相手がゲームをしかけてきても自分は「相補的交流」をおこなうよう心がけて、コミュニケーションがお互いにとって不愉快で終わらないようにしましょう。

そのコミュニケーションでストレスが減るだけでなく、普段から心にゆとりを持って人と接することができる自分に変わります。

ゲーム分析を通して、人間関係のトラブルの原因を見つけ、改善を心がければ、生活の中のストレスが減り、自律神経失調症の改善が大きく進むでしょう。

最後に 交流分析(4)「脚本分析」について お伝えします。

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交流分析(4)「脚本分析」

脚本分析とは、人生の中で作られた自分の「ポリシー(脚本)」が自律神経失調症の原因の1つであると考えて、好ましくない「脚本」を健全なものに変えていく治療方法です。

脚本分析でいう「脚本」とは?

脚本分析には「人の一生を1つのドラマと考え、誰もが自分の人生の“脚本”をもっている」 というとらえ方があります。

ここでいう「脚本」とは「親から受けついだ価値観」「無意識に受けてきた禁止令」などがベースとなって作られたもののことをいいます。生き方や行動のしかたの基準となっているものです。

  • 「迷ったら“楽しい”道を選ぶんだよ」といつも親から言われるか
  • 「迷ったら“厳しい”道を選びなさい」といつも親から言われるか

生き方や行動のしかたは、ずいぶん変わってきますよね。

「厳しい道を」といつも言われてきた人の場合は「つねに困難に立ち向かわなければならない」、「人に甘えてはいけない」という「脚本」ができあがってしまうでしょう。

脚本がマイナスにはたらくことがある

脚本がマイナスにはたらいて、自律神経失調症の原因になることがあります。

「強く生きなさい。自分で解決しなさい。」と親から言われてきた人は、人に頼ることができない、自分ひとりで抱え込んでしまう、という性格になるかもしれません。そのせいで心も体も疲れきってしまう人もいるでしょう。

脚本(ポリシー・生き方)を変えることはなかなかできません。頭でわかっていても、人に頼ることができず自分で抱え込むことをくりかえす傾向があるでしょう。また、そういった脚本ができあがっていることを自覚しないで、くりかえしてしまうこともあります。そこで・・・

脚本分析の目的

脚本分析の目的は、脚本を変えてマイナスを取り除くこと。

脚本分析での治療は、「こうであるべき」「こうではいけない」といった、心の奥深くにある“脚本・禁止令”に気づいてもらうことから始めます。

そして、自分が「完璧・完全である必要はない」ことを理解してもらい、好ましくない脚本を健全な脚本に書きかえて、健康的で健全な生き方ができるようにするのが脚本分析の目的です。

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