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認知行動療法とは? 目的、具体的な方法、効果やメリットについて

電車にのると汗をかく女性

認知行動療法は自律神経失調症やうつ病の治療の中で「心理療法の1つ」としておこなわれる方法。

物事のとらえ方にある問題点を修正して、気持ちにゆとりを持たせて、症状をやわらげていく方法です。

では認知行動療法とはどのようなものなのか、そもそも認知とはなにか、認知行動療法のやり方とは、その効果とは、についてわかりやすくお伝えします。

※この記事は医師による監修ではありません。当情報をもとにしたご判断や行動はご自身の責任においてお願いいたします。

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【目次】

認知行動療法とは?

自律神経失調症の治療のなかで心理療法のひとつとしておこなわれる認知行動療法。
心理療法の中の行動療法的アプローチ

心理療法

物事のとらえ方や思考パターンにひそむ問題点を修正して、心にゆとりを持たせてストレスを軽くして、そして症状をやわらげて治癒をめざすのが認知行動療法です。

認知行動療法と行動療法とは似ていますが、次のような違いがあります。

  • 認知行動療法:
    物事のとらえ方や思考パターンを含めた行動に着目
  • 行動療法:
    表面にあらわれた症状に着目

行動療法についてはこちらでくわしく紹介しています。
行動療法とは?効果、メリット、具体的な方法について

認知とは?

認知とは、物事のとらえ方・考え方・思考パターンのことです。何か起こった時や何か言われた時に「どうとらえるか」「どう思うか」ですね。

たとえば上司に「どうしてこんなこともできないんだ!」と叱られた時に……

  • あぁどうしてこんなにダメなんだろう。私はなんにもできない。期待もされてないんだろうなぁ
  • クッソー、悔しいー!がんばって絶対に見返してやる!
  • なにカッカしてんのよ!どうせ奥さんとケンカでもしてきたんでしょ!ムカつく!

どのようにとらえるのも認知です。

私はなんにもできない、と認知するよりも、どうせ奥さんとケンカでもしたんでしょ!と認知した方がストレスもたまりません。

このようにどう認知するかによって、ストレスがたまらない人もいればストレスを強く感じて自律神経失調症やうつ病になってしまう人もいます。

認知行動療法の流れ

認知にゆがみがあると、間違った判断をしてしまいます。

先ほどの上司の例で言えば、上司はホントに奥さんに叱られて機嫌が悪かっただけなのに「私なんか……」と間違った判断をしてしまいます。

認知行動療法は、次の3つの流れで症状を改善して現実の社会生活に適応できる心を体へと戻していくものです。

  • 認知のゆがみを作ったきっかけをはっきりさせる
  • 認知のゆがみを患者さん自身に気づいてもらう
  • 柔軟性とゆとりをもったとらえ方・考え方に変えていく

では認知行動療法の進め方についてお伝えします。

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認知行動療法の進め方(具体例)

間違った学習をなおす行動療法

認知行動療法の進め方について、次の例でお伝えします。

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電車の車内で急にめまいがして息苦しくなり、不安を恐怖を感じた。

「電車に乗ったからこうなったんだわ」と思いこんでしまって「電車に乗ると息苦しくなるし、どうにも対処できない」という不安と恐怖で電車に乗れなくなった。

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これは息苦しくなったのはそのシーンや場所が原因だと考え、そのシーンや場所自体に恐怖や不安を感じるケースです。パニック障害もこのケースにとても近いですね。

この場合、認知行動療法をどう進めていくかというと……

「電車に乗ると息苦しくなる」という場合の認知行動療法の進め方

(1)面接や心理テストで認知のゆがみを把握する

(2)電車自体が原因なのか。仕事が忙しい、疲れがたまっている、体調が悪いなど他の原因はないか、を患者さん自身が考えられるように話し合う

(3)患者さんに理解してもらった上で、電車に1駅だけ乗ってもらう(医師やカウンセラーが一緒に乗ることもあります)

(4)問題が起きていないことを確認しながら、徐々に電車に乗る距離を延ばす

(5)患者さん自身の体験として「認知のゆがみ」があったこと、つまり「電車が原因ではなかったこと」を確認してもらう

このような進め方で認知行動療法をおこなって認知のゆがみを修正し、とらえ方・考え方の選択肢を増やして、心にゆとりのある生活をできるようにすることが、認知行動療法の目標です。

※参考サイト:NHK健康チャンネル「心のリラックスでストレス解消 - 認知行動療法で考え方を見直す、厚生労働省 e-ヘルスネット「認知行動療法」、「自律神経失調症

では最後に、認知行動療法の具体的な効果についてお伝えします。

認知行動療法の効果

認知行動療法では症状が改善していくことが患者自身にはっきりわかります。

先ほどの例であれば、

「昨日は1駅だったのに今日は3駅乗れた。」

「今日は30分も乗ったのに大丈夫だった」

と改善の度合いがはっきりとわかります。

息苦しさと電車はなんの関係もなかったんだと身をもって実感できるので、自分のとらえ方が間違っていたことに気づくことができます

そしてこれからの物事のとらえ方においても「他にとらえ方はないかな」とほかの選択肢を考えるゆとりが生まれてくるのです。

このように認知のゆがみ(認識のまちがい)に気づいてもらい、目に見える結果が変化していくことで、認知のゆがみを再認識してもらうとともに行動の幅を広げていくのが認知行動療法です。

以上、認知行動療法とはなにか、その目的、方法、効果やメリットについてお伝えしました。ご参考になればうれしいです。

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執筆者
この記事の執筆者:
株式会社ナチュラルハーモニー代表 斉藤豊

1995年から栄養補助食品の販売業務をきっかけに栄養学を学ぶ。以来、健康食品・健康器具など10年の業務経験とともに整体師から自律神経など体のしくみを学び、2006年に健康通販(株)ナチュラルハーモニーを設立。
リラックスジェル「プアーナ」、内科医・医学博士の堀田忠弘先生考案・監修「野菜力で輝け」、医学博士の吉村尚子先生開発の和漢の健康茶「浄活茶」など天然由来100%の健康商品を販売して今年で17年目を迎える。※執筆者プロフィールはこちら

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