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バイオフィードバック療法とは? 効果、メリット、内容について
自律神経失調症の心理療法のひとつとしても活用されている「バイオフィードバック療法」。
今の緊張状態を自分自身で把握できるようにして、どうすればどのくらいリラックスできるのかを自分自身で把握できるようにするための方法です。
では、バイオフィードバック療法とは具体的にどのようなものか、何に効果を発揮するのか、などについてお伝えします。
※この記事は医師による監修ではありません。当情報をもとにしたご判断や行動はご自身の責任においてお願いいたします。
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【目次】
バイオフィードバック療法とは
バイオフィードバック療法とは、今の緊張の度合いがどうなのか、何をすればどのくらいリラックスするのか といったことを、血圧・心拍数・心電図・筋電図などの数値を患者さんに伝えて体で理解してもらいながら、最終的には自分自身でストレスとリラックスをコントロールできるようにトレーニングしていく治療法です。
※心理療法の中の自律的アプローチ
体の数値を知る
バイオ=からだの、フィードバック=情報を返す、という意味。
つまり本来は気づくことのできない体の変化についての情報を知る(フィードバックされる)ことで……
- 今の体はどんな状態なのか
- 心拍数や血圧はどう変化しているのか
- どのくらい緊張しているのか
- 深呼吸をしたらどのくらい緊張がやわらぐのか
といったことを理解します。そしてその理解(気づき)を通して自分で体を心をコントロールできるようにしていくのが、バイオフィードバック療法なのです。
生理反応を数値化して患者へフィードバック
私たちの体と心はつながっていて、つねに変化しています。
苦手な上司から「おい、○○クン!」と呼ばれると一気に緊張するでしょう。ドキドキしたり体がこわばったり少し冷や汗が出たり。
でも「いやぁ、昨日の商談は良かったよ!ちゃんと準備できていたからうまくいったんだな。ご苦労さま!」と言われたら一気に緊張はほぐれますね。気分もよくなりますしドキドキもおさまるでしょう。
バイオフィードバック療法では、ストレスなどの刺激を受けた時の心拍数・血圧・筋緊張・脳波・皮膚の温度・発汗といった生理反応を医療機器で測定して数値にします。
その数値をわかりやすく示して、今の緊張の度合いを理解してもらいます。
そして「今はどのくらい緊張しているのか」や「何をすればどの程度までリラックスできて数値がよくなるのか」をいろいろ試してもらいます。
バイオフィードバック療法では、呼吸法、自律訓練法、筋弛緩法、瞑想などいろいろな方法を試しながら、そのつど数値の変化を見ていきます。
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リラックスするコツを覚える
数値の変化を見ながら「どうすればリラックスできるか」とリラックスするコツを覚えていきます。
そうすれば、ストレスを感じている時や体が緊張している時に、どこにいても自分でリラックスすることができます。
このようにリラックスするコツを覚えていくことで、最終的には医療機器を使わなくても自分のチカラだけでコントロールできるようにしていくのが、バイオフィードバック療法です。
この方法は、体や心の不調の改善だけにとどまらずいろんなシーンで効果を発揮してくれます。
そこで次はその効果について具体的な例をいくつか紹介します。
※参考サイト:厚生労働省 eJIM「健康のためのリラクゼーション法」
バイオフィードバック療法が効果的なケースとは?
バイオフィードバック療法はさまざまな人に効果的です。例をあげていくと……
バイオフィードバック療法の効果(1)スポーツ選手のメンタルトレーニング
スポーツで高いパフォーマンスを発揮するためには、体もメンタルもリラックスしていることが大切。緊張してガチガチな状態では良いプレーをすることができません。
バイオフィードバック療法で自分の心身の状態を数値で体感しておけば、今がどのくらいの緊張度なのか、何をしたらどの程度リラックスできるのか、がわかります。
リラックスした状態でプレーに臨めば高いパフォーマンスを発揮できることでしょう。
具体的には、
- プレーの前のイメージトレーニングをリラックスした状態でおこなうことができる
- 集中力が高まる
- ここぞという場面で落ち着いて良いプレーができる
- プレッシャーに負けない強いメンタルを手に入れることができる
といったメリットがあります。
バイオフィードバック療法の効果(2)仕事
上司・同僚・得意先との人間関係、ノルマ、責任など、仕事においてたくさんのストレスを抱えている人は多いでしょう。
バイオフィードバック療法をおこなっているとストレス・マネジメント能力がついてくるので、比較的リラックスした状態で仕事することができます。
よいアイディアが浮かんだり仕事がスムーズに進むようになるので、やる気や意欲がわいて仕事に充実感を感じるようになり、さらに成長しようと自己開発へと進んでいきます。
バイオフィードバック療法の効果(3)勉強
勉強においてもバイオフィードバック療法は効果を発揮。
- 集中力や記憶力が高まる
- リラックスしているので勉強がはかどる
- アイディアが浮かんで問題が解けるようになる
- 試験でも余計な緊張をすることがなくなる
といったメリットがあります。
バイオフィードバック療法の効果(4)ストレス・マネジメント
心身ともにリラックスできることで副交感神経が十分はたらくようになります。
- 疲労や不調の回復
- 新陳代謝がアップ
- 眠りが深くなる
といったメリットがあります。
たまったストレスを解消しようと、衝動買いをしたり、お酒を飲みすぎてしまったり、甘い物をたくさん食べてしまったり、といった生活習慣も改善することができます。
バイオフィードバック療法の効果(5)体の症状の改善
自律神経失調症、うつ病、パニック障害、社会不安障害、不眠症、心身症、高血圧、手足の冷え、筋肉のリハビリなど、さまざまな体の不調に対してもバイオフィードバック療法は効果的とされていて、医療の現場で活用されています。
自律神経失調症の方に対しては特に、
- 筋緊張性頭痛(ストレスで筋肉が緊張して頭痛がおこるもの)
- 偏頭痛
- 高血圧(特にストレスによる高血圧)
- 多汗症
といった症状にバイオフィードバック療法が効果的と考えられています。
以上、バイオフィードバック療法の効果やメリットをお伝えしました。
どんな方法で体がどう変化するのかを数値で知ることで、自分の体を自分でコントロールできるようにしていくのが、バイオフィードバック療法なのです。
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この記事の執筆者:
株式会社ナチュラルハーモニー代表 斉藤豊
1995年から栄養補助食品の販売業務をきっかけに栄養学を学ぶ。以来、健康食品・健康器具など10年の業務経験とともに整体師から自律神経など体のしくみを学び、2006年に健康通販(株)ナチュラルハーモニーを設立。
リラックスジェル「プアーナ」、内科医・医学博士の堀田忠弘先生考案・監修「野菜力で輝け」、医学博士の吉村尚子先生開発の和漢の健康茶「浄活茶」など天然由来100%の健康商品を販売して今年で18年目を迎える。※執筆者プロフィールはこちら
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