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精神分析的心理療法とは? 目的、方法、効果を発揮するケースについて
精神分析的心理療法は、自律神経失調症やうつ病や不安症などの治療(心理療法)としておこなわれる療法。
その精神分析的心理療法の目的、進め方、効果を発揮するケースなどについてわかりやすくお伝えします。
※この記事は医師による監修ではありません。当情報をもとにしたご判断や行動はご自身の責任においてお願いいたします。
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【目次】
精神分析的心理療法とは?
精神分析的心理療法は、自律神経失調症やうつ病や不安症などの治療(心理療法)としておこなわれます。
特に次のような場合に精神分析的心理療法がおこなわれます。
- 患者の心の問題が症状と深く関係している場合
- 患者自身も気づかない無意識な心の葛藤が症状と深く関係している場合
精神医学者のフロイトなどが提唱した精神分析の技法を用いる心理療法です。
※心理療法のなかの精神分析的アプローチ
精神分析的心理療法の目的
自律神経失調症は心の問題が原因となるケースが多くあります。
精神的なストレスが原因と一言で片づけられるものではなく、何に不安を感じるのか、どんな葛藤があるのか、何を恐れているのか、といった心のあり方や物事の受けとめ方が大きく影響しています。
精神分析的心理療法では患者さん自身も気づいていない心の奥深くにある「葛藤・苦悩・欲求・こだわり・とらわれ」などを解明して、そこから心を解き放つことで体の症状を改善して心を癒していくが目的です。
薬による治療やその他の心理療法では満足いく効果があらわれていない場合で、本人が精神分析的心理療法を希望する場合におこなわれるケースが多いようです。
では次に精神分析的心理療法の進め方についてお伝えします。
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精神分析的心理療法の進め方
精神分析的心理療法は患者さんの信頼をえた医師によっておこなわれます。
逆に言えば、この先生から精神分析的心理療法を受けたい、と患者さん自身が思えるような信頼関係の上に成り立つ療法といえます。
まずはゆったりと椅子に座ったりベッドに横になってリラックスしてもらいます。
症状についてや家族、仕事、人間関係、患者さんが心に思い浮かんだことなどを自由に話してもらいながら、心の奥深くにある問題を見つけていきます。
話す内容について特に決まりはありません。
最近の体の状態のこと、今の仕事の内容、昔していた仕事の話、子供のころの話、好きなスポーツの話、趣味の話、自分の夢などなんでもかまいません。
精神分析的心理療法において大切なのは心にうかんだことをそのまま話すということ。
たいした話ではないからとか、くだらない話だからとか、こんな話をしたらどう思われるだろうか、といったことは考えずに、心に浮かんだことや思いついたことをそのまま口に出すことが精神分析的心理療法においてはとても重要なのです。
なぜ話すことを躊躇したのか?なぜ心にうかんだのか?
精神分析的心理療法のポイントは「心にうかんだことをそのまま話す」ことです。とはいってもやはり話すのを躊躇することもあるでしょう。
なぜなら今までの生活で、思ったことをそのまま口に出すということをしないで口に出してもいいのかどうかを考えてから話すという習慣が身についているから。
言いたいことをたくさん我慢してきたからこそ、自律神経失調症やうつ病になってしまったのかもしれません。
精神分析的心理療法ではなぜその話をするのを躊躇したのか?といったことも大きなポイント。
恥ずかしい、小さい人間と思われる、イヤな人間と思われる、過去にしがみついている、口にしたくないイヤな思い出である、などその話をするのをためらった理由についても医師と患者さんとの間で話をしながら自分の心を見つめていきます。
同様になぜその話が心にうかんだのかも精神分析的心理療法の大きなポイント。患者さん自身が理解している自分自身だけでなく、自分でも気づいていない自分自身に気づくきっかけにもなるからです。
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精神分析的心理療法はくりかえしおこなう
精神分析的心理療法は1回で終わりではなく、定期的にくりかえしおこないます。1回60分を週に1回から2回といったかたちでくりかえしおこなうのです。
心に浮かんだことをそのまま話すのは慣れないもの。
最初は話すのをつい躊躇しがちであっても、徐々に慣れていったり、医師への信頼が深くなったり、自分の話を真剣に聞いてくれて理解してくれることを実感していくと、患者さんも心に浮かんだことを安心してそのまま話しやすくなっていきます。
気づいてなかった自分に気づく
こうして精神分析的心理療法を何回かくりかえして心に浮かんだことを話すうちに、自分でも気づいていなかった自分自身に自然と気づけるようにもなります。
自分のことはよくわかっているつもりでも、実は気づいていない部分がたくさん。
そこに気づけるようになると今後の生活の中でも、こう言われると自分はこう感じるんだなぁ、こんな時はついこうしちゃうんだよなぁ、と客観的に見ることができます。
不安・恐怖・ストレスといったものは、漠然と感じていることが多いもの。たとえば上司に叱られた時に、
- 自分がダメな人間だとまわりに思われるのがイヤなのか
- クビになって次の仕事が見つからなかったら生活できるだろうかと不安なのか
などストレスを感じる理由は異なります。
なぜストレスを感じたのか?なぜそう思うのか?と掘り下げていくと、実はそれほどストレスを感じなくてもよいことだったりもします。
精神分析的心理療法で今まで意識していなかった自分に気づけることで、心のあり方、物事のとらえ方も変えることができるのです。
自分を理解してもらえた経験も大きなプラスに
精神分析的心理療法の中で「お医者さんは自分のことを理解してくれた」と感じた経験はこれからの生活に大きくプラスになります。
自律神経失調症やうつ病の人は少なからず自分を出さずに我慢してきた傾向があるでしょう。
しかしこの経験で、自分を我慢しなくてもいいんだ、自分を出しても受け入れてくれる人がいる、という安心感が生まれるからです。
精神分析的心理療法が効果的なケース
精神分析的心理療法は心理療法の中でも一般的な療法ではありませんが、次のような場合はこの療法が効果的にはたらくことがあります。
- 症状が重くないのに薬の治療ではあまり改善がみられないケース
- 無意識の葛藤や苦悩が体の症状と強い関係があるケース
どちらも根本は心のあり方が大きく影響しているといえます。
精神分析的心理療法によって自分の心のあり方を見つめ、気づき、安心感をえることで、症状の改善に貢献できるだけでなく、これからの生活をよりいきいきと過ごせるようになるでしょう。
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この記事の執筆者:
株式会社ナチュラルハーモニー代表 斉藤豊
1995年から栄養補助食品の販売業務をきっかけに栄養学を学ぶ。以来、健康食品・健康器具など10年の業務経験とともに整体師から自律神経など体のしくみを学び、2006年に健康通販(株)ナチュラルハーモニーを設立。
リラックスジェル「プアーナ」、内科医・医学博士の堀田忠弘先生考案・監修「野菜力で輝け」、医学博士の吉村尚子先生開発の和漢の健康茶「浄活茶」など天然由来100%の健康商品を販売して今年で18年目を迎える。※執筆者プロフィールはこちら
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