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自律神経と脳との関係

私たちの体をコントロールしている司令塔はもちろん『脳』。自律神経も脳によってコントロールされています。

その脳を大きくわけると三層構造になっています。

  • 一番外側:「大脳新皮質」
  • その内側:「大脳辺縁系」
  • 一番中心:「視床下部」

では、外側の脳「大脳新皮質」から、一番中心の「視床下部」まで、それぞれのはたらきを見てみましょう。

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【目次】

脳の三層構造のそれぞれのはたらき

脳のしくみ

大脳新皮質は知性の脳、大脳辺縁系は情動脳、視床下部はコントロールセンターと考えられています。

ではそれぞれどのようなはたらきをしているのでしょうか。

大脳新皮質:精神活動をつかさどる「知性の脳」

脳の一番外側にある「大脳新皮質」。

ここでは、物事を知覚したり、刺激やショックを記憶したり、いろんな経験を蓄積して、考えて判断したり、計画を立てて行動したり。人間特有の高度な精神活動をつかさどる部分です。知性や理性はここで生み出されます。

生まれてからのさまざまな経験にもとづいて作られた「社会的な脳」ですね。いわゆる「空気を読む」のもこの大脳新皮質のはたらき。

  • 沸騰しているお湯は熱いからさわらない
  • レストランでは大声でさわがない
  • 納期に間に合うようにスケジュールを立てて仕事をこなす
  • 夕食の時間に間に合うように、3種類の料理を用意する

まだ3才のお子さんは、お湯に指をつっこむかもしれませんし、レストランで大声出すこともありますし、スケジューリングも、夕食の準備もできません。

すべてさまざまな経験を通して大脳新皮質が発達してきたからこそできることですね。

大脳辺縁系:生命活動をつかさどる「情動脳」

大脳新皮質よりもひとつ内側にあるのが「大脳辺縁系」。

食欲・睡眠欲などの本能的欲求や、生理的な快・不快や、怒り、恐れ、驚きなどの感情(情動)で反応するはたらきがあります。

ここは人類の初段階でつくられた部分。生きていく上で不可欠な生命活動を担当しています。

  • お腹がすいたからごはんを食べたい!
  • 眠たくなったから眠りたい!
  • 寒いから洋服をもう一枚着たい!
  • スカイツリーの展望台で「こわーいっ!」
  • 横から急に車がきて「ビックリしたーっ!」

このような反応がすべて大脳辺縁系がはたらいてくれるおかげです。

お腹がすいたと感じないからごはんを食べない。眠たくないから眠らない。寒く感じないから洋服を着ない。これでは生命の危険にさらされますよね?

生命を守り、かつ、健康的に生活するためにはたらいているのが大脳辺縁系なのです。

次は、脳の一番中心にあるコントロールセンター「視床下部」のはたらきについて紹介します。

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視床下部:自律神経を支配するコントロールセンター

視床下部は「情動脳」である大脳辺縁系の影響を強く受けていて、大脳辺縁系で生じた欲求や情動に応じて、交感神経と副交感神経をコントロールしています。

たとえば……

ドライブをしていたら子供が急に飛び出してきた!

ビックリする(情動脳である「大脳辺縁系」に「驚き」が生じる)

「視床下部」が交感神経を興奮させる

心臓をバクバクさせて全身に一気に血液を流して、この状況にすぐ対応するために全身を瞬時に反応させる準備をする

急ブレーキをふむ、ハンドルを切る

この時は心臓はかなりバクバクしているでしょう。呼吸もかなり浅く、呼吸することすら忘れているくらいかもしれません。

そして……

急いで車から降りてどうなったか確認する

子供は転んでいるけど車にはぶつからずに済んで、ケガもしていないことがわかった

「よかったぁーっ!」と安心。ふぅーっと深く息を吐く

バクバクしていた心臓も少しずつおさまってくる

ブルブル震えていた手も足も落ち着いてくる

極度の交感神経の状態から平静へと戻っていく

このように感情の変化は自律神経に直結し、それがまた、心臓がバクバクしたり手足がガクガク震えたりといった体の変化へと直結しているのです。

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大脳辺縁系へのストレスも自律神経に影響する

ビックリしたできごと、突然のうれしいできごと、といった刺激だけでなく、大脳辺縁系がストレスを感じた時にも、自律神経に影響を及ぼします。

大脳辺縁系は「感情」の脳。イヤな気分になったり、つらい気持ちになったり。

仕事での責任やプレッシャー、人間関係、子供の心配、家族の介護など、身体的にも精神的にもあらゆるストレスが、感情の脳である大脳辺縁系に影響をあたえます。

それが視床下部に影響して、自律神経のバランスの乱れを引き起こすのです。

※参考サイト:厚生労働省 e-ヘルスネット「自律神経失調症」、「ストレス

適度なストレスならいいのですが、あまりにもストレスが多いと、体にも心にも不調があらわれます。

そこで、脳のストレスをできるかぎり少なくする方法をご紹介します。

脳のストレスを軽くする方法

1.呼吸法-座っておこなう呼吸法

仕事の合い間、電車での移動中、ちょっとお茶している時など、外出先でも手軽にできる呼吸法です。

(1)イスに腰かけます。肩・お腹の力を抜きましょう。うまく力が抜けないときは、ギューッと肩に力を入れて「ストンッ」と力を抜いてみましょう。なんどかくり返すうちに力が抜けていきます。

(2)目を軽く閉じます。そして、おへそから10センチほど下のところに片手をあてます(ここが丹田と呼ばれる場所です)。

(3)口からフーッと長く息を吐きながら、手で押さえている部分を徐々にへこませましょう。十分に息を吐いたら、へこませた部分をスーッと自然な状態に戻します。

(4)次に鼻から息を吸います。さきほどへこませた部分をこんどはゆっくりとふくらませながら、鼻から息を吸っていきます。

(5)1から4を何回かくり返しましょう。

※参考サイト:NHK健康チャンネル「1分でできる腹式呼吸」

2.呼吸法-寝転がっておこなう呼吸法

寝転がって呼吸法をおこなう女性

(1)手足は少し開いた状態で寝転がります。

(2)体のチカラを抜きます。抜けないときは、手足をブラブラバタバタと動かしましょう。

(3)まずは鼻から息を吸いながらお腹をふくらませます(腹式呼吸)。深くたくさん息を吸いましょう。

(4)限界までお腹がふくらんだと思ったら、今度は息を吐きます。お腹をへこませながら、お腹がぺちゃんこになるまで口から細く息を吐ききりましょう。

(5)吐ききったら急いで無理に息を吸う必要はありません。力を抜いてラクにしましょう。(息を止めるということではなく、自然な状態に戻りましょう)

(6)1から5を何回かくりかえしてください。

自律神経を整える呼吸法はこちらでもくわしく紹介しています。
自律神経を整える呼吸法-かんたんなやり方とは?

姿勢を正しくする

重心をどこに置くか、というのも脳が調整をしている部分。姿勢が悪い人はそれだけ脳の負担が大きくなっています。

ちなみに、うつむいて作業をしているのも悪影響をおよぼします。

デスクワークなどでパソコンとにらめっこをしている人は、首を突き出してパソコン画面とにらみ合っている人も多いですから注意しましょう。

歩き方に気をつける

歩き方によっても脳がストレスだと感じることがあります。

猫背で歩いている人は、骨ではなく首の筋肉で頭の重さを支えています。首がこって疲れるだけでなく、神経伝達も圧迫しかねません。

また最近多いのは、靴底が外側からすりへっていく人。このような人は、親指ではなく薬指や小指で地面を蹴っています。

歩くときに正しい重心移動ができていないので、筋肉に余計な負担がかかったり、0脚の原因になったり、ヒザ痛の原因になったり、腰痛の原因になったり。

親指で地面をける歩き方をしていれば、脳にもいい刺激があたえられて活性化します。ぜひ気をつけましょう。

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執筆者
この記事の執筆者:
株式会社ナチュラルハーモニー代表 斉藤豊

1995年から栄養補助食品の販売業務をきっかけに栄養学を学ぶ。以来、健康食品・健康器具など10年の業務経験とともに整体師から自律神経など体のしくみを学び、2006年に健康通販(株)ナチュラルハーモニーを設立。
リラックスジェル「プアーナ」、内科医・医学博士の堀田忠弘先生考案・監修「野菜力で輝け」、医学博士の吉村尚子先生開発の和漢の健康茶「浄活茶」など天然由来100%の健康商品を販売して今年で18年目を迎える。※執筆者プロフィールはこちら

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