低体温は自律神経にどんな影響が?深い関係とその原因、5つの改善法とは

低体温の女性

  • 低体温だけど自律神経失調症なのかな?
  • 低体温と自律神経って関係あるの?

そう疑問に思っている方もいらっしゃるのではないでしょうか。

実際に、ストレスが多い人ほど冷えを感じていたり、顔はほてるけど手足が冷たいという人も多いと思います。

そこで、そもそも低体温とは? なぜ低体温になるの? 改善するにはどうしたら? などについてわかりやすくお伝えします。

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【目次】

低体温とはどんな状態のこと?

低体温とはどんな状態のことをいうのでしょうか?

私たち人間の体温は本来なら36.5度前後あるものです。ご年配の方々のなかには平熱が37度という方もおられます。健康そのものですね。

36.5度というのは体内の酵素がしっかりと活性化する温度。体を動かすにも、体を回復させるにも、もっとも効果的にはたらく温度です。運動する前にウォーミングアップするのもまさにこのためです。

かたや現代人の多くは冷えをかかえています。真夏ですら手先や足先が冷えるといった異常な状態。低体温という言葉もよく聞かれるようになりました。

低体温の定義

低体温の明確な定義はありませんが、一般的には「体温が36度以下の状態」を低体温と呼んでいます。

低体温の状態では、免疫力も体内酵素のはたらきも大きく低下してしまいます。

風邪をひきやすい、なかなか治らない、インフルエンザにかかりやすい、疲れがとれない、ぐっすり眠れない、体の調子が悪い、肌の調子が悪い、といった実感をされている方も多いことでしょう。

なぜ低体温になるの?

ではなぜ低体温になるのでしょうか。

おもな原因を紹介すると……

  • 自律神経が衰えている
    (体温調節ができない)
  • 筋肉の量が少ない
    (熱が作られない)
  • ストレスが多い
    (体を冷やしてしまう)

すこし詳しくみてみましょう。

(1)自律神経が衰えている(体温調節ができない)

エアコンによって、夏は涼しく冬は暖かく過ごせるようになりました。このおかげで……

  • 暑い夏。汗をかいて体温調節しなくてもエアコンをつければいい。
  • 寒い冬。ブルブルッと筋肉を震わせて体温調節しなくても、エアコンをつければいい。

体のチカラで体温調節をしなくてもすむようになりました。使わない機能は衰える。自律神経の仕事である「体温調節機能」は衰えていきました。

いざ体を温めなきゃ!という状態になっても、すでに機能は衰えているので十分に温めることができない。こうして低体温の体ができあがってしまうのです。

(2)筋肉の量が少ない(熱が作られない)

体の中でおもに熱を作るのは、脳と筋肉。筋肉の少ない人は低体温になりやすいのです。

昔と比べて快適になった現代。階段をのぼらなくてもエスカレーターがある。駅まで歩かなくてもバスがある。洋服をゴシゴシ手洗いしなくても、洗濯機のボタンを押せばいい。薪を割って火をおこさなくても、ガスのスイッチを押せばいい。

いたるところで便利になった反面、体を動かすことが減っていきました。

日ごろから歩くようにしたり運動している人はいいですが、家と会社の往復でデスクワーク、なんていう人は確実に筋肉の量が少なく、低体温になりやすいでしょう。

※参考サイト:厚生労働省「生理:体温の維持」

姉妹サイトにてどんな生活が冷え性の原因なのかくわしく説明しています。こちらもご覧ください。
冷え性の原因となる8つの生活習慣とは?すぐできる改善法も紹介

(3)ストレスが多い(体を冷やしてしまう)

ストレスも低体温の大きな原因。ストレスを感じると……

筋肉を分解してストレスの影響をやわらげる
→ 筋肉の量が減る
→ 体のなかで十分な熱が作られなくなる

交感神経が優位になる
→ 筋肉がギュッと収縮して(縮んで)血行が悪くなる
→ 血液によって体温が運ばれない

このようにストレスは、筋肉の量の低下という点と自律神経のバランスの乱れという点から、低体温を引き起こす大きな原因となっているのです。

そこで次は低体温と自律神経の関係についてもう少しくわしくお伝えします。

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低体温と自律神経失調症の深い関係

低体温の原因として、運動不足で筋肉の量が少なくなっていることも大きな原因ではありますが、やはりストレスによる自律神経の乱れがもっとも大きく影響しているのではないでしょうか。

長時間の通勤、多忙な仕事、責任やプレッシャー、リストラへの不安、育児、職場やご近所さんやママ友との人間関係、不規則な食生活、睡眠不足、運動不足、騒音など。

ストレスの多い毎日が交感神経ばかりを優位にさせてしまって、いつも血行が悪い状態にある。その交感神経によって発生する活性酸素が、熱エネルギーを作る機能まで低下させてしまう。

低体温の裏にはストレスによる自律神経の乱れが深く関係している、といえるでしょう。

※参考サイト:厚生労働省 e-ヘルスネット「自律神経失調症」、「ストレス

そこで次は毎日の生活のなかでできる改善法について具体的にご紹介します。

ふだんの生活でできる5つの改善法

低体温、特に、自律神経の乱れからくる低体温を改善するための方法を5つご紹介します。無理なくできるところから取り入れてみてはいかがでしょうか。

  • 朝1番に太陽の光を浴びる
  • 軽い運動をする
  • ゆったりとお風呂につかる
  • 体を温める食べ物、飲み物を選ぶ
  • 深呼吸する

(1)朝1番に太陽の光を浴びる

朝太陽の光を浴びる女性

朝起きたらまず、ガラス越しではなく、窓を開けたりベランダに出たりして、太陽の光を直接浴びましょう。

太陽の光は体内時計を整えてくれます。自律神経が乱れていると、昼夜の区別なく体がはたらき続けている可能性が高く、ぐっすり眠れない、寝たのに疲れがとれていない、ということもしばしば。

太陽の光を浴びて「今が朝だよ」というのを体に理解させましょう。

太陽の光を浴びると「ああ、今が朝なのね。じゃあ、交感神経が優位になる時間だわ。10時間くらいたったら今度は、副交感神経とバトンタッチすればいいのね。」と体が理解してくれるでしょう。

体内時計を整える方法についてはこちらでくわしく紹介しています。
体内時計を整える3つの方法とは?

日光が自律神経にあたえる効果についてもこちらをご覧ください。
日光は自律神経を整える!そのスゴい効果と浴びるタイミングをご紹介!

(2)軽い運動をする

ジョギングする女性

散歩やウォーキングやジョギングなど、軽い運動を毎日するように心がけましょう。

運動すると筋肉がほぐれて血行もよくなりますし、体温も上がって低体温の改善につながります。筋肉の量も増えるので熱も作られやすくなりますね。

時間帯は朝がおすすめ。体温が一番低い朝のタイミングに運動をして体温をあげておくと、その日一日、基礎代謝があがって体温も上がりやすくなります。

たとえば、朝運動した日と運動していない日。お昼に4階の食堂まで階段であがったときの体温の上がり方も脂肪の燃焼のしかたも、朝運動をした日のほうが大きくなります。

また、体内時計を整える効果の面からみても、運動するなら朝がおすすめ。まずは近所の散歩から。時間にも体力にも無理ない範囲ではじめてみましょう。

自律神経を整える運動についてはこちらでくわしく紹介しています。
自律神経を整える運動とは?すぐ始められる手軽な方法をご紹介!

※朝の運動前には水分をとったり、ラジオ体操のような「動的ストレッチ」をして体を温めてください。特に寒い日の朝の運動はくれぐれも無理のないように気をつけましょう。

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(3)ゆったりとお風呂につかる

お風呂につかる女性

低体温の改善にはお風呂は不可欠。副交感神経に切りかえてくれるだけでなく、体温を上げてくれます。

低体温の人は熱いお湯にはゆっくりとつかれないでしょう。少しぬるいかなと感じる程度のお湯にゆったりとつかりましょう。目安は「体温プラス4℃」。心地よいと感じる温度が一番です。

湯船に10分ほどつかれば、体温は1℃ほどあがります。私の場合は、41℃のお湯に10分間つかった直後の体温は、38度になっていました。

体を急に温めるとすぐに冷めやすいのですが、ゆっくり温まると冷めるのもゆっくりに。すこしぬるめのお湯にゆったりとつかるようにしましょう。

ちなみに、シャワーは交感神経に切りかえるので逆効果。朝のシャワーなら活動モードになっていいのですが、夜にシャワーだけで済ますのは低体温のもと。湯船につかってくださいね。

副交感神経を優位にするお風呂の入り方についてくわしくはこちらをご覧ください。
副交感神経を優位にするお風呂の入り方とは?湯温、湯船につかる時間など

(4)体を温める食べ物、飲み物を選ぶ

食べ物や飲み物にも、体を冷やすものと温めるものがあります。たとえば……

体を温める食べ物

にんじん、ねぎ、たまねぎ、ごぼう、れんこん、かぼちゃ、生姜、にら、にんにく、にんにくの芽、山芋、ふき、こんにゃく、赤唐辛子、塩、味噌、しょうゆ、ラー油、明太子、黒砂糖(黒糖)、ちりめんじゃこ、佃煮、

体を冷やす食べ物

レタス、キャベツ、白菜、ほうれんそう、小松菜、きゅうり、トマト、なす、ゴーヤ、セロリ、もやし、おくら、大根、白砂糖、酢、マヨネーズ、ドレッシング、化学調味料

体を温める飲み物

しょうが湯、黒豆茶、ほうじ茶、紅茶、ウーロン茶、赤ワイン、日本酒、紹興酒

体を冷やす飲み物

コーヒー、緑茶、牛乳、豆乳、ジュース、清涼飲料水、水、白ワイン、ビール、ウィスキー、焼酎

温かいものなら体が温まる、とは限りません。温かい緑茶も、ホットコーヒーも、体を冷やしてしまうのです。ご注意くださいね。

また、朝起きた時、お風呂に入る前、夜寝る前、のタイミングに体を温める飲み物を飲むのが効果的。低体温の改善にぜひ試してみてください。

姉妹サイトにて体を温める食べ物や飲み物を具体的に紹介しています。
体を温める食べ物・飲み物はコレ!かんたん見分け方もご紹介!

(5)深呼吸する

深呼吸する女性

ささいなことのように勘違いされがちですが、呼吸はとても重要なポイント。低体温の改善だけでなく、健康全般においてもとても大切なのです。

自律神経は文字どおり自律している神経。私たちが自分の意識でどうこうできるものではありません。「副交感神経に切りかえよう」「血管を広げよう」「腸を動かそう」なんてできません。

でも呼吸だけは別。息を吸えば交感神経に、息を吐けば副交感神経がはたらきます。しかし、バタバタと忙しくはたらいていたり、パソコンに集中していると、無意識のうちに呼吸が浅くなっています。

今日、一度でも深呼吸しましたか?

深い呼吸は体と心の緊張をほぐしてくれます。副交感神経のはたらきが活性化されて、健康的な状態へ戻すように動き出します。

特に息をゆっくり吐くと効果的。鼻からゆっくり吸って、口からさらにゆっくりと息を吐きましょう。

自律神経を整える呼吸法はこちらでくわしく紹介しています。
自律神経を整える呼吸法-かんたんなやり方とは?

低体温を改善するためにできることをいくつか紹介しました。筋肉を増やすこと、一日の生活のなかで体温を上げる行動をとること、リラックスすることがポイントですね。

運動で筋肉量を増やしたり自律神経を整えて、低体温を改善しましょう。

さて、疲れがとれない、体が重たい、いまひとつ調子が……というあなた、体が固くなっていませんか?

不調を解消するには体をほぐすことが大切!そこですばやく簡単にゆるめる方法をご紹介します。
ゆるめて軽い体になる方法とは? >>

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執筆者
この記事の執筆者:
株式会社ナチュラルハーモニー代表 斉藤豊

1995年から栄養補助食品の販売業務をきっかけに栄養学を学ぶ。以来、健康食品・健康器具など10年の業務経験とともに整体師から自律神経など体のしくみを学び、2006年に健康通販(株)ナチュラルハーモニーを設立。
リラックスジェル「プアーナ」、内科医・医学博士の堀田忠弘先生考案・監修「野菜力で輝け」、医学博士の吉村尚子先生開発の和漢の健康茶「浄活茶」など天然由来100%の健康商品を販売して今年で17年目を迎える。※執筆者プロフィールはこちら

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